3章devopsの歴史

この業界と、そこで繰り返されるパターンや考え方を調べれば、何がdevops運動を形作ったのかを理解する助けになる。その理解があれば、私たちが今どこにいるかがはっきりする。そして、効果的なdevopsを通じて、サイロを作り特定の職種を低く見るような専門化のサイクルを壊せるようになる。

3.1 オペレーターとしての開発者

最初の頃の開発者はオペレーターだった。第2次世界大戦が勃発すると、アメリカ合衆国政府は、数学専攻の人たちに「コンピューター」、すなわち戦争遂行のために弾道表を計算する仕事をするよう求めた。ジーン・バーティクは、それに応じた多くの女性のうちのひとりである。彼女の指導教官は、その求めには応じないよう彼女に勧めた。彼女の家系は伝統的に教職についており、繰り返し計算するという反復作業はそれにそぐわないと考えたからだ。

数値の計算が反復的な性質を持つという点では彼女の指導教官は正しかった。ここで使われたのは、世界最初の電子的でプログラム可能な計算システムであるENIAC(Electronic Numeric Integrator and Computer)(http://eniacprogrammers.org)だった。そして、この仕事はバーティクが最初のプログラマーになる適切なタイミングと場所となった。

バーティクと5人の女性たちは、ドキュメントも計画もないなかでENIACを操作していた。そして、デバイスのハードウェアとロジックダイアグラムを何度も見るうちに、プログラムの方法を見つけ出した。ENIACとそれに含まれる18,000本の真空管を使ったプログラミングとは、40枚のコントロールパネルのダイヤルを設定し、配線を変えることだった。

当時、この業界ではハードウェアエンジニアリングばかりに力を入れていて、システムを機能させるのに必要なプログラミングは置き去りになっていた。問題が起こると、ハードウェアエンジニアがやってきて「マシンではない。オペレーターだ」と宣言していた。プログラマーは、ヒューズとケーブルを交換し、システムに入り込んだ本物のバグ(虫)を取り除かなければならず、システムの管理と操作に苦労していた。 ...

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