付録A安定した開発環境のためのベストプラクティス
Goのコードを作成するというのは、とても楽しい作業です。コンパイルエラーは苦痛ではなく、頑健で高品質なコードへと開発者を導いてくれます。一方で、この作業に割り込み邪魔をするような事柄が開発環境によって引き起こされがちです。Web検索やちょっとした工夫で、このような問題はほぼ解決できます。開発環境を適切にセットアップすれば、問題の発生を大幅に抑えることができ、開発者は便利なアプリケーションの作成に注力できるようになるでしょう。
この章は、Goの新規インストールから始まります。開発環境に関するいくつかの選択肢を紹介し、ここでの選択が将来的にもたらす影響を明らかにします。コラボレーションや、パッケージのオープンソース化による影響についても考察します。
この章の具体的な内容は以下のとおりです。
- Goのソースコードを取得し、読者の開発マシン上でネイティブコードにビルドします。
- 環境変数
GOPATH
の意味を学び、適切な指定方法を検討します。 - Goのツール群について知り、コードの品質を保つためにこれらを利用します。
- インポート対象のパッケージを自動的に管理するためのツールを活用します。
- ファイルの保存時に何らかの処理を実行するためのしくみを知り、これとGoのツール群を組み合わせて日常の開発に役立てます。
A.1 Goのインストール
Goはオープンソースのプロジェクトです。つまり、読者も簡単にGoをソースコードからコンパイルできます。いくつかの理由で、Goのインストールにはソースコードからのコンパイルをおすすめします†1。例えば、後で必要になった場合に標準ライブラリやツール群のソースコードを確認できます†2。また、新しいバージョンにアップデートしたりリリース候補版を試用したりするのも容易です。リポジトリで別のタグやブランチを指定してソースコードを取得し、ビルドを再実行するだけです。もちろん、必要なら以前のバージョンに戻すこともできます。バグを修正してGoのコアチームにプルリクエストを送信し、プロジェクトに貢献することも可能です。 ...
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