初めてのGraphQL ―Webサービスを作って学ぶ新世代API

5章GraphQLサーバーの実装

これまでに、APIの歴史について学び、クエリの実行方法について学び、スキーマを作成する方法について学びました。いよいよ充実した機能を持ったGraphQLのサービスを実装できます。GraphQLのサービスはどのような言語でも実装できますが、ここではJavaScriptを使用します。もちろん、ここで紹介する技術はどの言語でも適用できるものです。実装の詳細が多少異なっていたとしても、アーキテクチャの全体像は言語やフレームワークに依存しません。

他の言語のサーバー用のライブラリに興味があれば、GraphQL.org（http://graphql.org/code/）を参照してください。

GraphQLの仕様書は2015年の公開以来、クエリ言語と型システムの明瞭な説明を心がけています。サーバーの実装については意図的に抽象化されており、好きな言語を用いることができるようになっています。Facebookのチームは参考用にJavaScriptで実装されたGraphQL.jsという実装を提供しています。さらに、express-graphqlというExpressでGraphQLのサーバーを実装するためのシンプルなライブラリを提供しています。

私たちはJavaScriptによるGraphQLサーバーの実装手法を検討し、Apollo Server（https://www.apollographql.com/docs/apollo-server/v2/）を用いることを決めました。Apollo ServerはApolloチームが開発したオープンソースのソフトウェアで、非常にシンプルにセットアップできる上、本番環境に投入できる水準の機能を多く提供しています。代表的な機能としては、サブスクリプションのサポート、ファイルのアップロード、既存のサービスのAPIからデータを取得する機能、そしてクラウドサービスのApollo ...