9章ポップオーバーとスプリットビュー
ポップオーバーとスプリットビューはiPadのみで用いられるインタフェース形式です。
ポップオーバー(UIPopoverControllerが管理します)は、主ウィンドウに付属して表示されるダイアログのようなウィンドウで、メインインタフェースの上を覆うビューを表示します。ポップオーバーは矢印に似た三角形でメインインタフェース内のビュー(たとえばボタン)と関連付けられており、そのビューをタップするとポップオーバーが表示されるようになっています。周囲の画面が暗くならないところが、モードにUIModalPresentationPageSheet
やUIModalPresentationFormSheet
を指定して呼び出された被提示側ビュー(6章参照)と違うところです。ユーザーがインタフェースの他の部分を操作できないようにして実質的にモーダルとすることもできますし、ユーザーが外をタップすると消えるようにすることもできます。またポップオーバーを消去しないままユーザーが外にあるインタフェースをタップできるようにすることもできます。
ポップオーバーは、実質的には、iPadの画面上にほぼiPhoneサイズの画面を重ねて表示するものです。これが便利な理由のひとつは、大きなiPadの画面に、より小さく軽快なiPhoneの雰囲気をもたらしてくれるからです。たとえば筆者のアプリ「LinkSame」では、設定画面(ユーザーが設定を変更し、ゲームを新規に開始する画面)もヘルプ画面(ゲームのやり方を説明する画面)もポップオーバーです(図9-1)。iPhoneでは、どちらの画面も画面全体を占めることになるでしょう。どちらの画面にも呼び出す仕組みが必要で、ユーザーが元の画面に戻れる仕組みも必要です——どちらも被提示側ビューコントローラとなるのでしょう。しかし、より大きなiPadの画面では、提示を使う意味はありません。どちらのビューも、画面全体を占拠させるほど大きくありませんし重要でもありません。ポップオーバーとしてなら、ふさわしい表示が可能です。小さめの付随的なビューで、ユーザーが一時的に呼び出して、使い終わったら消去します。 ...
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