16章ミュージックライブラリ
iOS機はアプリを実行するだけでなく、初期のiPodと同じ用途、つまり楽曲やポッドキャストを入れたり再生することにも使えます。この楽曲などがiOS機のミュージックライブラリを構成し、ユーザーはアプリ「ミュージック」(以前の一部の機種ではiPodと呼ばれていました)でそれらを再生できます。iOSは、開発者にさまざまな形でミュージックライブラリにアクセスする方法を提供しており、以下のことができます。
- ミュージックライブラリの中を見ること
- ミュージックライブラリの楽曲の再生演奏
- アプリ「ミュージック」のミュージックプレイヤーの動作状態を知り、制御すること
- ユーザーがミュージックライブラリの楽曲を選択できる標準的なインタフェースを提供すること
これらの機能を提供するのはMedia Playerフレームワークです。MediaPlayer.frameworkをリンクし、<MediaPlayer/MediaPlayer.h>
をインポートすることが必要になります。
16.1 ミュージックライブラリの概要
プログラムのコードから見ると、ミュージックライブラリにあるものはすべてMPMediaEntityです。これは抽象クラスで、プロパティと呼ばれる、キーと値のペアを用いてそれ自身を記述する機能をサブクラスに付与するものです(ここでの「プロパティ」という語は、『入門iOS SDK』の12章で論じたObj-Cのプロパティとは無関係で、むしろ、NSDictionaryの項目に似たものです)。どのようなプロパティがあるかは、ミュージックライブラリ内のモノの種類によります。その多くは、iTunesを使っていれば直観的にわかりやすいものでしょう。たとえば、メディアアイテムの場合は、タイトル、アルバムタイトル、トラック番号、アーティスト、作曲者などですし、プレイリストの場合はタイトル、「スマート」プレイリストかどうかを示すフラグなどです。プロパティのキーは、MPMediaItemPropertyTitleのような名称になっています。 ...
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