5章式と演算子

この章では「式」と「演算子(オペレータ)」について説明します。プログラミングを理解する上で「式」の概念はとても重要ですので、式が何を意味するかをしっかりと理解してください。

式について計算を実行することを「評価(evaluate)する」と言います。式は評価され、その結果として「値(value)」をもつことになります。たとえば、変数x3、変数y5が記憶されているとき、式x*yを評価すると、この式は値15をもつことになります。

「3章 変数、定数、リテラル、データ型」で説明した変数や定数、リテラル、それに「6章 関数」で詳しく説明する関数などと、この章で説明する演算子を組み合わせることで、さまざまな計算や処理を行うのが典型的な式の働きです。

式を評価した結果は値になるため、複数の式を組み合わせて新たな式を作ることができます。

式を評価して得られた値は代入文によって、変数、定数またはプロパティに割り当てる(代入する)ことができます。これによって、式の値が変数などに記憶されます。

言葉による説明ばかりですと実感がわかないでしょうから具体例を見ていきましょう。まず、簡単な掛け算(乗算)の例です。

let x;
x = 3 * 5;

1行目は変数xを宣言する「宣言文」です。

2行目は、式3 * 5の結果を変数xに代入する「代入文」ですが、実はこの文は2つの式から構成されています。ひとつ目は3 * 5で、この式の結果は15という値になります。次に、この値が「代入式」で変数xに代入されます。この代入も式であるため値を返し、その値は変数xに代入する値と同じになります。

つまり15という値がxに代入されるだけでなく「式全体」の結果も15という値になるのです。

代入は結果が値になる式なので、結果をさらに別の変数に代入することも可能です。次の例を見てください。 ...

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