13章関数のさまざまな利用方法
JavaScriptがブロードウェイミュージカルだとすれば、関数は売れっ子の主役といったところでしょうか。スポットライトを浴びて、観客の喝采のなか最後に登場して中央で深くお辞儀をします(わずかながら、ブーイングをする人もいるに違いありません。残念ながらすべての人を喜ばせることはできません)。「6章 関数」で基礎的な事柄を紹介しましたが、この章では関数を利用して問題を解決するさまざまな手法を見ていきます。
関数はカメレオンのような存在です。周囲の状況によってさまざまな「色」に染まります。
この章の前半では、関数の次のような側面について検討します。
- 繰り返しを避けるための「サブルーチン」としての関数
- 値を返すサブルーチンとしての関数
- 「純粋関数」としての関数
13.1 サブルーチンとしての関数
「サブルーチン(subroutine)」という考え方は、複雑さを軽減するための仕組みとして以前から存在しています。サブルーチンなしではプログラミング作業は単純な繰り返し作業がとても多くなってしまうでしょう。サブルーチンは繰り返し行われる機能をまとめ、それに名前を付け、その名前を参照するだけでその機能を実行可能にしてくれます。
「サブルーチン」と同じ意味合いで使われるものとしては「プロシージャ」「ルーチン」「サブプログラム」「マクロ」などといったものがあります。「呼び出し可能なユニット」といった表現も使われます。JavaScriptにおいては「サブルーチン」という言葉は使わずに「関数」あるいは「メソッド」と呼びます。ここで「サブルーチン」という言葉を用いたのは、関数の単純な使い方を強調するためです。 ... |
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