18章ウェブブラウザのJavaScript

JavaScriptはウェブブラウザ用のスクリプト言語として誕生し、現在もその地位を独占しています。この章ではブラウザ環境でのJavaScriptについて説明します。言語としてのJavaScriptはどの環境でも共通ですが、利用できるオブジェクトなどについては環境ごとに異なりますので注意が必要です。

ここではブラウザベースのJavaScriptの基礎的な概念を紹介します。より詳しくは参考文献などを参照してください。

18.1 ES5かES2015か

サーバーサイドの場合、JavaScriptを実行する「エンジン」は開発者が自由に決めることができますが、クライアントサイドではユーザーがどのブラウザを利用するかを開発者が指定することはできません。したがって、しばらくの間はクライアント側スクリプトの開発をES2015で行う場合には「トランスパイル」が必要になります。(ES2015の対応が十分になるまでは)ウェブに公開するコードを書く場合には、 「1章 JavaScriptの歴史と開発環境」や「付録C 開発ツールのインストール」で紹介している手順に従って、トランスパイルを行ってから公開してください。

18.2 ドキュメントオブジェクトモデル(DOM)

ドキュメントオブジェクトモデル(Document Object Model:DOM)はHTMLドキュメントの構造を記述するもので、これを使ってブラウザとのやり取りを行い、表示をコントロールすることができます。

DOMは木構造になっており、木構造の各要素は「ノード」と呼ばれます。最上位ルートノードを除き必ず親ノードをもち、0個以上の「子ノード」をもちます。DOMのルートノードはdocument ...

Get 初めてのJavaScript 第3版 ―ES2015以降の最新ウェブ開発 now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.