1章アイソモーフィックJavaScriptが求められる理由

Jason Strimpel, Maxime Najim

 

2010年に、Twitterは刷新されたWebサイトを公開しました。これは#NewTwitterと呼ばれ、UIの描画やロジックがユーザーのブラウザ上のJavaScriptへと移されていました。当時としては画期的なアーキテクチャーでした。しかしその2年後に、Twitterはサイトを再び設計し直して描画処理をサーバー側に戻しました。その結果、ページの初期読み込み時間を以前の5分の1にできました(http://bit.ly/twitterwebspeed)。このサーバー側への揺り戻しは、JavaScriptコミュニティーに衝撃を与えました。開発者もそうでない人々も、クライアント側での描画がもたらすパフォーマンスへの大きな影響をすぐに悟りました。

[注記]

クライアント側のWebアプリケーションでの最大の弱みは、最初に大きなJavaScriptファイルをダウンロードしなければならないという点です。インターネットでの通信にはTCP(Transmission Control Protocol)という方式が一般的に採用されており、ここでは混雑を避けるためにスロースタートというしくみが取り入れられています。初めは少量ずつデータが送られ、徐々に増えてゆきます。『ハイパフォーマンス ブラウザネットワーキング』(オライリー・ジャパン)でIlya Grigorikは、「クライアントとサーバー間のスループットが64キロバイトに到達するまでには、4往復の通信と数百ミリ秒の遅延が必要」と述べています。よいユーザーエクスペリエンスとページの応答性にとって、最初の数キロバイトのデータはきわめて重要です。 ...

Get アイソモーフィックJavaScript now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.