1章学び始めるまえに
プログラミングの学習は長い旅に似ています。ルートも目的地も分からないまま始めては、コーラを飲めばゲップが出るほど確実に遭難してしまうでしょう。この章ではまず初めにJavaScriptについての概要を説明したあとで、小さなプログラムの説明を通してJavaScriptの機能を一通り紹介します。この紹介は導入であると同時にこれから学ぶことの全体像を掴むための地図のようなものです。どこかに向かう前に地図を丸暗記する必要がないように、本章もすべてを理解しようとする必要はありません。全体を俯瞰し、以降の章ではどういった順序でどういうことを学ぶことになるのかを把握するように努めてください。各項目の詳細は以降の章で説明することになります。
1.1 プログラムについて
これからJavaScriptを使用してプログラミングを学んでいきます。もしかするとプログラミングを非常に難解なものだと思い、不安に感じている人がいるかもしれません。あまり心配しないでください。実は多くの人はプログラミング的な作業を日常的に行っています。
たとえば子供にお願いして知り合いに荷物を届けてもらうために目的地までの経路をメモに書いて伝える必要があるとしましょう。こんな感じでしょうか。
「玄関を出て真っ直ぐに進み、4つ目の交差点を右に曲がる。そのまま直進して左手に郵便ポストが見えたら左に曲がり、突き当りの建物が目的地。」
このメモを見れば目的地がどのような建物かまったく知らなくても、荷物を届けることができるはずです。
ここで子供をコンピュータ、メモをプログラムと考えれば、行っていることはプログラミングそのものです。子供は目的地を知りませんが、正しくメモが書かれていればお願いした場所に到着できます。プログラムを与えられたコンピュータも同様です。コンピュータはこちらの意図にはいっさい頓着しませんが、愚直にプログラムに書かれてあることを実行して得られる結果を返してくれます。正しくプログラムが書かれていれば意図した結果が得られるでしょう。指示が間違っていれば正しく実行して間違った結果が得られます。 ...
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