7章コレクションを学ぶ

「2章 データを学ぶ」でデータをまとめる手段のひとつとして配列を紹介しました。配列リテラルが実際に生成するのはArrayオブジェクトですが、JavaScriptにはそのほかにもデータをまとめて扱うためのオブジェクトがあり、そのようなオブジェクトを総称してコレクションと呼びます。JavaScriptのコレクションは大きく分けて2種類です。ひとつがインデックス付きコレクション(indexed collection)で、順序づけて保持している要素を[]と数値を使用して指定できます。ここにはすでに紹介した配列と、本章で初めて紹介する型付き配列が含まれます。もうひとつがキー付きコレクション(keyed collection)で、任意のオブジェクトをキーとして、要素を関連づけて保持し、そのキーを使用して要素を指定できます。ここに含まれるオブジェクトはMapSetWeakMapWeakSetの4つです。「4章 オブジェクトを学ぶ」で紹介したObjectも複数の要素を保持して文字列型またはシンボル型のキーでそれらを取り出せますが、Objectはそれ以外にもさまざまな役割があるため、一般にコレクションには含まれません。

本章ではそれぞれのコレクションオブジェクトを順に紹介し、さらにそれらのコレクションオブジェクトの走査を統一的に扱う手段であるイテレータについて説明します。

7.1 Array

Arrayは最も基本的なコレクションである配列を表すオブジェクトです。配列にはコレクションとして唯一リテラル表記が用意されていて、new演算子を使用せずにオブジェクトを生成できます。インデックスを使用した要素へのアクセスなどの基本的な使用方法についてはすでに「2章 データを学ぶ」で説明しているので、ここではメソッドを使用したより進んだ配列の操作について説明します。 ...

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