14章実用的なアプリケーションのデプロイ

これまでの章では、Kubernetesクラスタ上で使用可能なさまざまなAPIオブジェクトと、信頼性の高い分散システムを構築するのにそれらのオブジェクトをどのように使うのがよいのかについて説明してきました。しかし、完成した実際のアプリケーションをデプロイするために、これらのオブジェクトをどのように使うのかについてはあまり取り上げてきていません。この章では、そこに焦点を当ててみます。

ここでは、次の3つの実際に使用されているアプリケーションを見ていきます。

  • モバイルアプリ向けのオープンソースAPIであるParse
  • ブログとコンテンツ管理プラットフォームであるGhost
  • 軽量で高性能なキーバリューストアであるRedis

これらの構築を通じて、Kubernetesを使った自分なりのデプロイ方法の元になるアイディアを得られるはずです。

14.1 Parse

Parse server(http://parseplatform.org/)は、モバイルアプリケーションから簡単に使用できるストレージ機能を提供する、クラウドAPIです。AndroidやiOSなどのモバイルプラットフォームに統合しやすい、さまざまなクライアントライブラリを提供しています。Parseは2013年にFacebookに買収され、その後サービスを停止しました。しかしその後、Parseのコアチームによって互換サーバがオープンソース化されて使用できるようになりました。この節では、Kubernetes上にParseをセットアップする方法を説明します。

14.1.1 前提条件

ParseはストレージとしてMongoDBクラスタを使用します。13章で、KubernetesのStatefulSet ...

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