16章ステージ2:定着

市場の頭のなかに入ったら、今度は何かを作るときだ。ここでの大きな疑問は、構築したものにユーザーが定着するかどうかである。ローワン・アトキンソン《Rowan Atkinson》のコメディ「ブラックアダー」に「We're in the stickiest situation since Sticky the stick insect got stuck on a sticky bun.」というセリフが出てくる†1。これがビジネスを持続させる方法だ。

16.1 MVPの定着

ここでのフォーカスは、定着とエンゲージメントである。日次・週次・月次のアクティブユーザー、非アクティブになるまでの期間、非アクティブユーザーにメールを送ったときにアクティブになるユーザー数、どの機能にユーザーは時間を使っているか、どの機能が無視されているか、などを見ることができるだろう。これらの指標をコホートでセグメント化して、何らかの変更によってユーザーの行動が変化するかどうかを確認するのである。たとえば、2月にサインアップしたユーザーは、1月にサインアップしたユーザーよりも定着しているだろうか?

エンゲージメントのサインが欲しいだけではない。製品がユーザーの生活の必需品となり、切り替えが難しい状況になっているという証拠が欲しいのだ。すばやい成長を目指しているわけではない。それを期待してもいけない。どれだけ早くユーザーに定着するかではなく、定着するかどうかのテストをしているのだ。つまり、100人のユーザーが定着しなければ、100万人のユーザーを定着させることはできないのである†2

ここでの最優先事項は、定期的に正しく使用される中心的な機能を作ることだ。ユーザーは少人数でも構わない。その機能がなければ、成長の基礎は築けない。最初のターゲット市場は小さくても構わないので、意味のある結果を生み出すと思われる最少人数に徹底的にフォーカスすべきである。 ...

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