18章ステージ4:収益

ある時点からお金を稼がなくてはいけない。定着や拡散の先へ進むと指標が変わる。稼いだお金の一部を新規ユーザーの獲得にまわすようになると、新しいデータを追跡したり、新しいOMTMを見つけたりするようになる。顧客ライフタイムバリューと顧客獲得コストは、成長を促進するものである。ロイヤルユーザーを安価に獲得できるように、請求の方法・時期・対象を調整しながら実験することになるだろう。リーンアナリティクスの収益ステージへようこそ。

収益ステージのゴールは、フォーカスを変えることである。「アイデアの正しさを証明する」から、スケール可能で一貫性のある継続的な方法で「お金を稼げることを証明する」へとフォーカスを変えるのだ。ピニャータ†1のフェーズだと考えればいい。キャンディーが出てくるまで、ビジネスモデルをさまざまな方法でたたくのだ。

スタートアップの有識者のなかには、最初からお金を請求すべきだという人もいる。このことは、チャーン・獲得コスト・構築しているアプリケーションの種類など、さまざまな要因によって決まるものである。だが、最初からお金を請求収益や粗利にフォーカスでは意味が違う。これまでのステージでは、たとえビジネスが赤字であっても、無料でアカウントを提供したり、返金に応じたり、単価の高い開発者にサポート電話を担当させたりしても、問題はなかった。だが、これからは変えなくてはいけない。製品を作っているだけではダメだ。ビジネスを作っていかなくてはいけない。

18.1 収益ステージの指標

収益の計測は簡単である。ただし、収益は「右や上へ進む」だけなので、順調かどうかの指標としては「平均顧客単価」のほうが適している。こちらは比率だ。比率のほうが学べることは多い。たとえば、収益が上がっているのに平均顧客単価が下がっているとしたら、これまでと同じペースで成長を続けるためには、今まで以上に多くの顧客が必要ということになる。それは実行可能だろうか? 納得できる話だろうか? 比率を使うことで、スタートアップの意思決定にフォーカスできるのである。 ...

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