30章内側からのリーン:組織内起業家

第二次世界大戦がヨーロッパで勃発し、アメリカはドイツの航空技術(特にジェット機)の技術進歩に対抗する必要があることを認識した。アメリカ軍は、ロッキード社(当時はLockheed Aircraft Corporation社)にジェット戦闘機の開発を依頼した。苦肉の策だった。1か月後、エンジニアリングチームは提案書を持ってきた。そして、厳重に保護されたサーカス小屋のなかで、6か月以内に最初の戦闘機を開発した†1

このグループは「スカンクワークス」として有名になった。大規模で動きの遅い組織のなかで、イノベーションを課せられた独立した自主管理グループという意味である。こうしたグループは、会社の規律である制限や予算監督を免れることが多い。既存の「枠を超えた」斬新で独創的なゴールに取り組み、大企業の慣性を緩和するのである。Google社やApple社なども同様の手法を採用しており、Google X Labのような先端研究グループを作っている†2

すぐに変化をもたらすのは難しい。そのためには責任に見合った権限が必要だ。組織の内部から変えようとするのであれば、大変な労力が必要となる。ここでスタートアップの世界で学んだ教訓が適用できる。ただし、企業向けに調整を加える必要がある。

30.1 コントロール範囲と鉄道

大企業にある組織図は、鉄道時代の最高責任者ダニエル・C・マッカラム《Daniel C. McCallum》が生み出したものである†3。1850年代の鉄道は好景気ビジネスだった。だが、投資家はうまく拡大することができなかった。小さな鉄道は利益を生み出していたが、大きな鉄道はそうでもなかったのである。

マッカラムはそのことに気づき、鉄道を小さなセクションに分割した。そして、彼が定めた情報を報告する人に各セクションを運営させたのである。マッカラムのラインは(この手法をコピーした他のラインも同様に)成功を収めた。マッカラムのモデルは、軍人時代に学んだ規律のある階級制度にインスパイアされたものだ。それを他の産業に適用したのである。 ...

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