はじめに

リーンスタートアップのムーブメントは、多くの起業家を刺激している。ビジネスプランで最もリスクの高いところを特定して、そのリスクをすばやく低下させる方法を発見し、学習サイクルを何度も回していくことができるからだ。これらを一言でまとめるなら「作れるものを売るな。売れるものを作れ」になるだろう。つまり、みんなが買いたい物を見つけ出せということだ。

残念ながら、みんなが本当に欲しいものはわからない。多くの場合、何が欲しいのか自分でもわかっていないからだ。あなたに教えるときは、あなたが聞きたそうなことを教えてくれるだろう†1。さらに困ったことに、創業者や起業家は強烈な思い違いをする。それがゆっくりと知らないうちに、意思決定に悪影響を及ぼしている。

そこでアナリティクスだ。計測すれば説明できるようになる。不都合な真実に目を向けざるを得なくなる。誰も欲しがらないようなものに人生やお金をかけなくなる。

リーンスタートアップを使えば、進捗を明らかにして、ビジネスで最もリスクの高い部分を特定することで、すばやく学習と適応ができるようになる。リーンアナリティクスを使えば、進捗を計測して、ビジネスの最も重要な質問をすることで、すばやく明確な答えが見つかるようになる。

本書では、ビジネスモデルと成長ステージを見つけ出す方法を紹介する。また、最重要指標(OMTM:One Metric That Matters)の発見方法についても説明する。それから、スピードを上げる時期と急ブレーキをかける時期がわかるように、評価基準の設定方法についても説明する。

リーンアナリティクスは、ビジネスのあらゆるステージのダッシュボードである。課題が現実的かどうかの検証から、顧客の発見、何を構築するかの決定、潜在的な見込み客に合わせたポジショニングまで、すべてのステージを対象にする。データにもとづいた行動を強制することはできないが、データを目立つところに配置してもらうことなら可能だ。それならデータを無視できなくなるし、道を大きく外れて運転することもないはずだ。 ...

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