9章ボックス5:ソリューション
ようやく、Lean UXのプロセスにおいてソリューションを検討する段階になりました。これは、意図的なものです。たしかに、構築したいソリューションや機能から議論を始めることはできました(実際、たいていの場合、プロジェクトはソリューションを考えることから始まります)。しかしソフトウェア開発では、まず全体を俯瞰し、いくつかの制約を設けておく方が良い結果が得られるものなのです。本書の例でも、ここまでビジネスプロブレム・ステートメント、ビジネスの成果、ペルソナ、ユーザーの成果やメリットに関する議論をしてきたことで、制約を設けています。これらの制約がなければ、ソリューションは対象とすべき人たちや課題が不明確な、焦点の定まらないものになってしまいます。私たちがこれまで宣言してきた前提となる思い込みは、ソリューションをつくり出すための空間を制約するものになっているのです。
この段階では、まだ細かいデザイン作業には入っていません。細かなデザイン作業に入るのは、キャンバスを完成させてからです。ただし、「顧客は、現在の状態から目標とする状態へ到達するために何をすればいいか」については、具体的に考え始めます。
9.1 エクササイズのファシリテーション
他の前提となる思い込みを宣言する際のエクササイズの多くと同じく、このエクササイズを促進する方法には様々なものがあります。以下にいくつかの方法を示しますが、好みのブレーンストーミングのテクニックを自由に加えて、チームがボックス5を完成させるのに役立ててください。 ...
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