10章ボックス6:仮説
ボックス6に到達した段階で、チームは戦術的で検証可能な仮説を立てるために必要な材料をすべて手にしています。しかし、その前に、一般的な仮説について話しておきましょう。
「仮説(hypothesis)」という言葉は、近年、プロダクト開発でよく使われるようになりました。これは、エリック・リースが科学的手法に着想を得たプロダクト開発手法について説明した著書『リーン・スタートアップ』(井口耕二訳、日経BP)の影響もあります。リースは、仮説を早期かつ頻繁に検証することを提唱しています。では、そもそも仮説とは何でしょうか? 『The Oxford Dictionary of Difficult Words』はこの言葉を、「さらなる調査の出発点として、限られた証拠に基づいてなされる仮定または提案された説明」と定義しています†1。
[†1] Archie Hobson (ed.), The Oxford Dictionary of Difficult Words (New York: Oxford University Press, 2004), s.v. “hypothesis.”
これはまさに、私たちがこれから作ろうとしているものです。私たちは、すべての前提(「限られた証拠」に基づく記述)をまとめて、統一されたステートメント(課題とソリューションの「説明案」)にし、リサーチとテストのプロセス(「さらなる調査」)を開始しようとしているのです。 ...
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