12章ボックス8:MVPと実験
Lean UXキャンバスの最後のステップは、実験に焦点を当てます。Lean UXキャンバスの2つの重要な質問のうちのもう1つは、「次の最重要事項を学ぶために必要な最小限の作業は何か?」です。この質問に対する答えが、仮説を検証するために実行する実験になります。
最小限の仕事をしようとするのは、怠慢だからではありません。それは、リーンであるということです。チームは、無駄を省こうとしています。アイディアが適切かどうかを検証するための作業が増えるほど、無駄が増えていくことになります。そのアイディアが継続的に取り組むべきものであるかどうかが早く見極められるほど、検証のための手間を減らせるのです。これによって軌道修正も容易になり、チームのアジリティも高まります。
ボックス8でチームが考案した実験が、MVP(Minimum Viable Product:実用最小限のプロダクト)になります。これは、エリック・リースが『リーン・スタートアップ』で定義したMVPとまったく同じです。
12.1 そもそも、MVPとは何か?
技術者に「MVPとは何か?」と尋ねると、次のような含蓄のある言葉を含む、様々な答えが返ってくるはずです。
- 「機能するもののうち、最速で世の中に出せるもの」
- 「妥協だらけのひどいリリースで、全員を不幸にさせるもの」
- 「クライアントが『これがMVP』と言えば、それがMVPになる」
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