13章まとめ

第Ⅱ部では、Lean UXの主なテクニックを紹介してきました。課題をビジネスプロブレム・ステートメントとして定義する方法や、ビジネスとユーザーの両方にとっての成果という観点から成功を定義する方法について見てきました。また、ユーザーについて理解していることの本質をプロトペルソナとして捉える方法や、ソリューションは何かについて考える方法についても説明しました。仮説の構築・検証方法についても学びました。Lean UXキャンバスを用いることで、これらLean UXのテクニックに関する重要な情報を1ページにまとめて整理し、実際のプロジェクトにうまく適用できるようになります。

とはいえ、現実世界では物事は簡単には進んでくれません。どんなプロジェクトでも、様々な問題が生じるものです(だからこそ、Lean UXキャンバスが役に立つのです!)。第Ⅱ部の最後となる本章では、この非常に厄介な現実世界でLean UXを採用したチームの事例を紹介します。実際の例を見ることで、Lean UXがどのように機能するか(混沌とした現実世界に対処するのにいかに適しているか)が、よくわかるでしょう。

これらの事例には、Lean UXキャンバスを使用しているチームも登場します。キャンバスは使わず、キャンバスに組み込まれているLean UXのテクニックの一部を使用しているチームも登場します。前述したように、Lean UXの実践において、キャンバスが絶対に必要なわけではありません。キャンバスを使うか使わないかにかかわらず、これらのテクニックを、自分たちのチームにとって最善の形で使いこなせばよいのです。これから紹介する事例が、それを実践するためのアイディアやインスピレーションを与えるものになることを願っています。 ...

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