1章機械学習デザインパターンの必要性
デザインパターンはエンジニアリングの領域で、よくある問題に対するベストプラクティスや解決策を示します。デザインパターンは、専門家の知識と経験を、あらゆる実務家が利用可能な助言として体系化したものです。本書は、何百もの機械学習チームと仕事してきた中で見られた機械学習におけるデザインパターンをカタログとしてまとめたものです。
1.1 デザインパターンとは
パターンという考え方や実証済みのパターンのカタログが、建築の分野においてクリストファー・アレグザンダーと5名の共著者によりA Pattern Language(Oxford University Press、1977、邦訳『パタン・ランゲージ』、鹿島出版会、1984)という影響力の大きい本で紹介されました。その本の中で、彼らは253のパターンをカタログ化し、次のように紹介しています。
各パターンでは、私たちの環境で繰り返し発生する問題が提起されています。さらに、繰り返し用いても二度と同じ結果が生まれないように、問題に対する解決策(解答)の要点のみが記述されています。
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各解決策は、問題の解決に求められる本質的な関連領域を与えるように述べられていますが、一般的かつ抽象的に書かれています。そのため、自身の好みや扱っている場所の地域条件に合わせて、自身の方法で問題解決できます。
例えばどの部屋も二面採光や一間バルコニーなど、人の特性を取り入れた家づくりのパターンがあります。家の中で一番好きな部屋と、一番嫌いな部屋を考えてみてください。好きな部屋には壁二面に窓がありますか。一番嫌いな部屋はどうですか。アレグザンダーは二面採光について次のように述べています。
二面採光の自然光の部屋ではまぶしくないため人や物をより詳しく見ることができ、何よりも顔に浮かぶ繊細な表情を詳細に読み取れます。… ...
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