付録ANoSQLの概要

近年、NoSQL(Not Only SQL、またはさらに対立的にNo to SQLの厚かましい接頭辞)として知られているデータストレージ技術の人気が流星のごとく高まっているのを目にします。しかし、用語としてのNoSQLは、NoSQLデータストアが何であるかではなくNoSQLデータストアが何でないかを定めています(NoSQLはSQL中心のリレーショナルデータベースではありません)。NoSQLデータストアは、動作、機能、アーキテクチャ的な特性が多種多様な興味深く便利なストレージ技術です。

なぜこのような新しいデータベースが作成されたのでしょうか。これらのデータベースはどのような問題を解決するのでしょうか。ここでは、この10年間に出現した新しいデータの課題について議論します。そして、グラフデータベースを含む4種類のNoSQLデータベースを見ていきます。

A.1 NoSQLの台頭

歴史的に、ほとんどの企業レベルのWebアプリケーションはリレーショナルデータベース上で動作していました。しかし、この10年では、従来のRDBMSで扱える以上にデータ量が多く、急速に変更され、構造的に多様なデータに直面しています。このような課題を受けてNoSQLのムーブメントが生じています。

ストレージが劇的に増えているので、組織がNoSQLストアを採用するのにデータ量が主な要因となっているのは驚くことではありません。データ量は、単に格納されるデータのサイズと定義できます。

周知のとおり、大規模データセットはリレーショナルデータベースに格納すると扱いにくくなります。特に、表のサイズと結合数が増えるにつれ、クエリ実行時間が長くなります(いわゆる、結合の苦痛です)。これはデータベースそのものの欠点ではありません。むしろ、正しい解に到達するためにクエリに対して考えられるすべての答えを構築してからフィルタリングするという、基盤となるデータモデルの特徴なのです。 ...

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