11章Node.jsとJavaScript標準
Node.jsはプログラミング言語にJavaScriptを採用することで、そのイベントループによる並行処理モデルをサーバサイド開発の世界に導入しました。ブラウザと共通の言語を採用したことは、単にユニバーサルWebアプリケーションでコードの共有が可能になるという以上に、Node.jsをWebフロントエンド開発と親和性の高いものにしました。フロントエンドの開発においても、npmによるパッケージ管理や、ビルドやテスト、その他開発に関連するさまざまな自動化タスクの実行環境といった用途でNode.jsが広く利用されています。サーバサイドでNode.jsを使っているかどうかに関係なく、モダンなWebフロントエンドの開発環境でNode.jsに依存しないことは考えられず、あらゆるWeb開発者はNode.jsと無縁ではいられません。
このような状況において、Node.js環境のJavaScriptがブラウザ環境と同じ仕様を満たすことは重要です。ユニバーサルJavaScriptはアプリケーションの実行環境でも開発環境でもコードの共有を可能にし、それは開発者の実装コストだけでなく、学習コストも大きく下げることになります。
このためNode.jsは、ECMAScript標準で規定されたJavaScriptの言語仕様に従うとともに、ブラウザ環境の仕様を標準化したWeb標準からも一部のAPIを導入しています。本章ではJavaScriptの標準からNode.jsに導入された仕様の例として、ECMAScript標準に由来するESモジュールと、Web標準に由来するWebAssemblyを取り上げます。これらの仕様は、それ自体が重要であることはもちろんですが、Node.jsがECMAScript標準やWeb標準とどのように向き合っているかを知るためのよい実例です。 ...
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