12章XML

 XML(Extensible Markup Language)は、標準化されたデータフォーマットです。見た目はHTMLと似ていて、タグ(<example>このようなもの</example>)やエンティティ(&amp;など)を持っています。しかし、HTMLと異なり、プログラムでの解析がしやすいように設計されていて、XMLドキュメントでできることとできないことが規則で明確に決められています。XMLは、出版や工学、医療など、さまざまな分野の標準的なデータ形式であり、リモートプロシージャコールやデータベースとのやり取り、商品の発注などでも使用されています。

 XMLを使用したくなる場面は多々あります。XMLはデータ転送で広く使われる形式なので、他のプログラムからXMLファイルを出力して、そこから情報を抽出(解析)したり、HTMLに表示(変換)することができます。本章では、PHPにバンドルされているXMLパーサー(解析器)の使い方や、オプションのXSLT拡張モジュールを使用してXMLを変換する方法について説明します。またXMLの生成についても簡単に見ていきます。

 XMLはリモートプロシージャコール(遠隔手続き呼び出し)でも使用されます(XML-RPC)。クライアントは関数名とパラメータ値をXMLにエンコードして、それをHTTP経由でサーバーに送信します。サーバーは受け取った関数名と値をデコードしてそれに沿った処理を行い、XMLにエンコードしたレスポンス値を返します。XML-RPCは、異なる言語で書かれたアプリケーションコンポーネントが統合できる便利な方法として広く知られています。

12.1 XMLとは

 大半のXMLは、要素(HTMLのタグのようなもの)、エンティティ、そして通常のデータで構成されます。 ...

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