17章PHPのデバッグ

 デバッグは経験がモノをいうスキルです。開発の世界でよく言われるように、「必要なロープはそろっている。後は自滅しないよう気をつけて、きれいな輪っかを作る」のです。当然のことながら、デバッグは回数を重ねるほど慣れていきます。またコードが期待通り動作しない場合には、サーバー環境からヒントを得ることもできます。しかしデバッグの話に入り込む前に、大きな視点でプログラミングの環境について見ておきましょう。開発会社にはその会社固有の環境設定や作業の進めかたがあるので、本章では理想的な環境で実践すべき事柄、いわゆる「ベストプラクティス」について話を進めます。

 PHP開発の理想郷には、少なくとも開発、ステージング、本番の3つの環境があります。以降ではこれらについて順に見ていきます。

17.1 開発環境

 開発環境は、サーバーのクラッシュや同僚のあざけりを心配せずに、未熟なコードが記述できる場所です。ここは、概念と理論を証明しまた反証する場、つまり実験的なコードが書ける場であるべきです。したがって、エラー報告の環境は可能な限り細かく出る設定にしておきます。エラー報告はすべてログに記録すると同時に出力デバイス(ブラウザ)にも送るようにします。警告についても可能な限り、詳細で説明的なものが出力されるようにします。

ヒントや提案あるいは一般的な注意
後の表17-1では、デバッグとエラー報告に関して、3つの環境それぞれで推奨されるサーバー設定をまとめています。

 開発環境の配置は意見の分かれるところですが、会社に資金や場所の余裕があるのなら、コード管理が行えるSubversionやGitなどを備えた開発専用のサーバーを設けるべきです。余裕がない場合には、開発用PCにその役割を受け持たせる ...

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