PHPクックブック ―モダンPHPによるWebアプリケーション実用レシピ集

5章数値

数値もPHPの基本的な構成要素の1つです。我々を取り巻く世界には、さまざまな種類の数値があることはご存知の通りです。多くの場合、書籍のページ番号はフッターに印字されます。スマートウォッチには現在時刻と、場合によってはその日に歩いた歩数が表示されます。数値によっては、ありえないほど大きいものもあれば、ありえないほど小さいものもあります。数値は、整数、分数、または、πのような無理数のいずれかの形になります。

PHPの数値は、整数（int型）と浮動小数点数（float型）の2つがありますが、そのうちの1つの書式でネイティブに表現されています。どちらの数値型も非常に柔軟ですが、使える値の範囲は、コンピュータシステムのプロセッサアーキテクチャに依存するので、32ビットシステムでは64ビットシステムに比べると狭い範囲となります。

PHPは、そのシステムで使用可能な数値の範囲がプログラムからわかるように、いくつかの定数を定義しています。それを考慮しつつ、PHPの機能はどのようにコンパイルされたか（32ビットまたは64ビット）によって大きく異なるため、プログラムの中でこれらの値がどのようになるかを判断しようとしないで、表5-1に示すPHPで定義された定数を使用するのが賢明です。常に、オペレーティングシステムと言語のデフォルトに従う方が安全です。

表5-1 数値を表すPHP定数

定数	説明
PHP_INT_MAX	PHPでサポートされる最大の整数値。32ビットシステムでは2147483647、64ビットシステムでは、9223372036854775807
PHP_INT_MIN	PHPでサポートされる最小の整数値。32ビットシステムでは-2147483648、64ビットシステムでは、-9223372036854775808 ...