6章Grafanaによるダッシュボードの作成

アラートを受け取ったり、システムの現在のパフォーマンスをチェックしたくなったりしたときに、最初に見るのはダッシュボードだ。今まで使ってきた式ブラウザは、1度限りのグラフの作成やPromQLのデバッグには便利だが、ダッシュボードとして使えるようには設計されていない。

まず、本書のダッシュボードという言葉の定義から話しておかなければならないだろう。ダッシュボードとは、一連のグラフ、表、その他システムを可視化する図表をまとめたものである。たとえば、どのサービスにどれくらいのトラフィックがあり、レイテンシはどの程度になっているかといった全体的なトラフィックを示すダッシュボードを持っている読者もいるだろう。そして、個々のサービスについても、レイテンシ、エラー、リクエスト率、インスタンス数、CPU使用率、メモリ使用量、その他サービス固有のメトリクスを表示するダッシュボードがあるはずだ。さらに掘り下げていくと、特定のサブシステムのためのダッシュボードや、あらゆるJavaアプリケーションで使えるガベージコレクションダッシュボードもあるだろう。

Grafanaは、Graphite、InfluxDB、Elasticsearch、PostgreSQLなど、さまざまなモニタリング、非モニタリングシステムのためにそのようなダッシュボードを構築できるツールで、広く使われている。Prometheusを使ってダッシュボードを作るときの推奨ツールでもあり、GrafanaのPrometheusサポートは継続的に改良を重ねている。

この章では、2章でセットアップしたPrometheusとNode exporterを拡張する形で、PrometheusのもとでのGrafanaの使い方を紹介する。 ...

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