20章PyTorchのテンソル

レシピ20.0 はじめに

 機械学習のツールスタックにおいてはNumPyがデータ操作の基盤となるツールだったが、深層学習のツールスタックにおいてはPyTorchが基盤ツールの役割を果たす。深層学習自体を説明する前に、PyTorchのテンソルに慣れ親しみ、「1章 NumPyのベクトル、行列、配列」でNumPyを用いて行ったことと同様のことをPyTorchでできるようにしておこう。

 PyTorchは数ある深層学習ライブラリの1つに過ぎないが、アカデミアでも産業界でも非常によく用いられている。PyTorchのテンソルはNumPyの配列にとてもよく似ている。ただしPyTorchのテンソルを用いると、GPU(深層学習に特化されたハードウェア)で計算することができる。本章ではPyTorchのテンソルとさまざまな低レベル操作の基礎を学ぶ。

レシピ20.1 テンソルの作成

問題

テンソルが作りたい。

解決策

 PyTorchを用いてテンソルを作る。

# ライブラリをロード
import torch

# 行ベクトルを作成
tensor_row = torch.tensor([1, 2, 3])

# 列ベクトルを作成
tensor_column = torch.tensor(
    [
        [1],
        [2],
        [3]
    ]
)

解説

 PyTorchの主要なデータ構造はテンソルだ。テンソルは、さまざまな意味で「1章 NumPyのベクトル、行列、配列」で用いたNumPyの多次元配列と非常によく似ている。ベクタと配列と同じように、テンソルも水平方向(つまり行として)および垂直方向に(つまり列として)作ることができる。

参考資料

  • PyTorchのドキュメント「Tensors」( ...

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