3章Python組み込みのデータ構造と関数、ファイルの扱い

 この章では、Python言語に組み込まれている標準の機能について説明します。これらの機能はこの本のどこでも常に使っています。pandasやNumPyのような追加のライブラリは、より大きなデータに対する応用的な計算機能を提供するものですが、Python組み込みのデータ操作機能と併せて使えるように設計されています。

 まずは、Pythonの主力となるデータ構造から始めることにしましょう。タプル、リスト、ディクショナリ、セットです。そしてその後、再利用可能な独自のPython関数の作り方を紹介します。最後に、Pythonのファイルオブジェクトの仕組みとローカルハードドライブとのやり取りの方法を見ていきます。

3.1 データ構造とシーケンス

 Pythonのデータ構造はシンプルですが強力です。それらの使い方を習得するのは、Pythonの達人プログラマになるための重要な一歩です。まずは、タプル、リスト、ディクショナリから紹介を始めることにします。これらは、最もよく使用されるシーケンス型のオブジェクトです。

3.1.1 タプル

 タプルは、固定長で不変(immutable)な一連のPythonオブジェクトです。つまり、初期化した後は内容を変更することができません。タプルを作る最も簡単な方法は、コンマで一連の値を区切り、丸括弧で囲むことです。

In [2]: tup = (4, 5, 6)

In [3]: tup
Out[3]: (4, 5, 6)

 多くの場合、丸括弧は省略することができ、同じことを次のように書くこともできます。

In [4]: tup = 4, 5, 6 In [5]: tup Out[5]: (4, 5, ...

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