まえがき

 タイトルどおり、本書は世界でもっとも広く使われているプログラミング言語の1つであるPythonの入門書である。初心者プログラマを対象としているが、知っている言語にPythonを加えたい経験豊富なプログラマにも役に立つはずだ。

 ほとんどの場合、コンピュータ言語は自然言語よりも学びやすい。コンピュータ言語のほうが曖昧さが少なく、覚えておかなければならない例外も少ない。Pythonはもっとも首尾一貫した、明快なコンピュータ言語の1つだ。学びやすさ、使いやすさと表現力のバランスが取れている。

 コンピュータ言語は、データ(自然言語の名詞のような存在)と命令コード(動詞のような存在)から作られている。両方が必要だ。本書では、Pythonの基本的なコードとデータ構造を交互に取り上げ、両者の結合方法を示し、より高度なものに向かって進んでいく。読み書きするプログラムも、次第に長く複雑になっていく。木工細工にたとえれば、ハンマー、釘、木片から説明を始める。前半部を終えると、旋盤や電動工具のような高度な部品を取り上げる。

 本書は、言語だけではなく言語を使って何をするのかまで踏み込む。最初はPython言語と「バッテリー同梱」と呼ばれる(すぐに使える)標準ライブラリから始めるが、優れたサードパーティパッケージを探し、ダウンロード、インストールして利用する方法も説明する。本筋ではない話題や複雑なハックではなく、私の10年以上にわたるPythonを使った本番システム開発の経験から本当に役に立つと感じた事項を強調していく。

 本書は入門書だが、少々高度なテーマも取り上げている。それは、みなさんにそういうものにも触れてほしいからだ。データベースやウェブといった分野も取り上げるが、テクノロジーの変化は速い。今のPythonプログラマには、クラウドコンピューティング、機械学習、イベントストリーミングについての知識も求められる。本書は、これらすべてに触れている。 ...

Get 入門 Python 3 第2版 now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.