14章ファイルとディレクトリ

私にもファイルはありますよ。コンピュータファイルと、ほら、

例の理論上のファイルというやつですよ。でも、実際にはその

ほとんどは私の頭の中にあるんですよね。だから、

私の頭がどうかなればおじゃんなんですよ。

──ジョージ・R・R・マーティン

 プログラミングを始めたばかりのときには、繰り返し耳にするけれども、技術的に明確な意味があるのか、意味があるように見えるだけなのかよくわからない言葉が出てくる。ファイルとかディレクトリはまさにそういう用語だが、これらには技術的な意味がある。ファイルは、何らかのファイルシステムに格納された、ファイル名でアクセスできるバイトの並びだ。ディレクトリはファイルやほかのディレクトリを集めたものである。フォルダという用語はディレクトリと同じ意味だ。コンピュータがグラフィカルユーザインタフェースを獲得したときに、ディレクトリの概念を親しみやすくするために考え出されたものである。

 ファイルシステムの多くは階層構造になっており、木のようなものだと言われることが多い。しかし、現実のオフィスに木などない。サブフォルダが無限にあるところを視覚的にイメージできない限り、フォルダのたとえは役に立たないだろう。

14.1 ファイル入出力

 もっとも単純なタイプの永続記憶は、昔ながらのファイルだ。フラットファイルと呼ばれることもある。これは、ファイル名のもとに格納されたただのバイトのシーケンスだ。ファイルからメモリに読み出し、メモリからファイルに書き込む。Pythonはこれらの仕事を簡単にできる。Pythonのファイル操作は、ほかの多くの言語と同様に、おなじみのUnixのファイル操作をモデルとしている。

14.1.1 open()による作成、オープン ...

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