21章ビジネス現場のPy
「事務だって!」と、
幽霊はまたもや其の手を揉み合わせながら叫んだ。
「人類が私の事務だったよ。」
──チャールズ・ディケンズ『クリスマス・カロル』
(森田草平訳、青空文庫より引用)
ビジネスマンの制服は、スーツとネクタイだ。しかし、どういうわけだか、本気で仕事に取り組もうとすると、ジャケットを椅子に投げ、ネクタイを緩めて袖をまくり上げコーヒーをいれる。それに対し、ビジネスウーマンは、派手なことはほとんどせずに仕事を片付ける。おそらくラテを飲みながら。
政府機関や企業では、今までの章で取り上げたデータベース、ウェブ、システム、ネットワークなど、すべてのテクノロジーを使う。Pythonは生産性が高いということから大企業(https://bit.ly/py-enterprise)でもスタートアップ(起業したばかりの会社)(https://bit.ly/py-startups)でも人気を集めてきている。
ビジネスは、互換性のないファイル形式、難解なネットワークプロトコル、簡単に乗り換えられない言語、正確なドキュメントの欠如といった古くからの問題と戦い続けてきた。しかし、今日では、次のようなものを使えば、今までよりも早く安価に柔軟なアプリケーションを作ることができる。
- Pythonのような動的言語
- 普遍的なGUIとしてのウェブ
- 言語に依存しないサービスインタフェースとしてのRESTful API
- リレーショナルデータベースとNoSQLデータベース
- 「ビッグデータ」とアナリティクス
- デプロイと投資の節約のためのクラウド
21.1 Microsoft Officeスイート
ビジネスは、Microsoft Officeアプリケーションとそのファイル形式に強く依存している。実は、あまり知られておらず、ドキュメントに問題があるものも含まれているが、PythonにはMicrosoft ...
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