4章地理空間データ分析のクラウド化:Google Earth Engineとその他のツール

皆さんは地理空間データにどのようにアクセスしていますか? 企業アカウントを持つデータの専門家は、パーソナルコンピューティングの能力の限界やオープンソースデータへの依存について心配することはないかもしれませんが、専門家ではない人はしばしば制限の中で仕事をしています。クラウドでの地理空間データ分析は、ローカルに大量のデータを保存する必要がないため、その溝を狭めることに貢献しています。一般市民がこれほど地球規模で地理空間データにオープンソースでアクセスできるようになったことは、かつてなかったことです。本章では、調査や学習のためのデータをどこで探すことができるかを紹介します。

米国および世界中の宇宙計画では、何十年にもわたって衛星やセンサーからデータを収集してきましたが、分析用にそのデータをリアルタイムで操作できるようになったのは、ごく最近のことです。USGSはEarthExplorer(https://earthexplorer.usgs.gov/、Landsat)をホストしており、Copernicus Open Access Hub(https://scihub.copernicus.eu/)は欧州宇宙機関(ESA)のSentinel衛星で取得したデータを提供しています。Landsatの高解像度衛星画像により、環境変化の評価や測定、気候科学や農業の影響把握、時間や空間を超えた自然災害への対応など、さまざまなことが可能になります。無料の衛星画像の登場により、世界中の経済的に困難な地域の意思決定者が、見識を広げ、解決策に集中することが可能になりました。

地理空間データ分析とは、位置情報に適用される手法やツールのうち、対象を分析する場所やフレームによって結果が異なるものを指します。これは、本質的に「場所に特化した」分析です。これは、最寄りの地下鉄の駅を探したり、地域に緑地や公園がどれだけあるかというような単純なものから、交通の利便性や健康状態のパターンを明らかにするような複雑なものまであります。空間アルゴリズムとは、分析、モデリング、予測に使用される、地理的特性と統合された連続した命令をリストアップし実行することによって問題を解決する方法です。 ...

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