5章データ構造

2章で説明したように、Rではベクトルを使うだけでも多くのことが可能です。本章では、行列、リスト、ファクタ、データフレーム、tibble(特殊なデータフレーム)といったベクトル以外に関するレシピを紹介します。データ構造に対する先入観があるなら、その先入観は捨ててください。Rは、他の多くの言語とは異なる手法でデータ構造を扱います。レシピの説明の前に、まずRのさまざまなデータ構造について、簡単に紹介します。

Rのデータ構造の技術的側面を学習したい場合には、『R in a Nutshell』(O'Reilly、https://oreil.ly/2wUtwyf、邦題『Rクイックリファレンス第2版』オライリー・ジャパン)と「R Language Definition」(https://cran.r-project.org/doc/manuals/R-lang.pdf)を読むことをお勧めします。この章の説明は、この参考資料ほどは詳しくありません。この章では、筆者がRを使い始めたときに知っていればよかったと思った項目を挙げます。

ベクトル

ベクトルの主な性質は次の通りです。

ベクトルは均質
ベクトルのすべての要素は同じ種類、つまりR用語で言うと同じモードでなければいけません。
ベクトルは位置でインデックス指定できる
v[2]vの2番目の要素を表します。
ベクトルは複数の位置でインデックス指定でき、サブベクトルを返す
v[c(2,3)]は、vの2番目と3番目の要素からなるサブベクトルです。
ベクトル要素は名前を持てる
ベクトルにはnamesプロパティがあり、ベクトルと同じ長さを持ち、要素に名前を付けます。
v <- c(10, 20, 30)
names(v) <- c("Moe", ...

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