15章シンプルなプログラミング

Rでは、プログラミングについて何も知らなくても多くのことが可能です。しかし、プログラミングについての知識があれば、さらに多くのことを行うことができます。本格的に使うようになれば、多くのユーザがある程度のプログラミングを行うようになり、おそらくすぐに腕を上げていくでしょう。本書はプログラミングのための書籍ではありませんが、本章では一般的にRのユーザにとって便利だと思われるプログラミングに関するレシピを取り上げます。

まず、Rの重要な技術的な詳細を示します。既にプログラミングやプログラミング言語に精通している人にとっても、次のまとめのうちのいくつかは参考になるでしょう(これらの用語についてよく知らなければ、この節は読み飛ばしても構いません)。

型なし
CやJavaなどの型付き言語とは異なり、Rの変数には整数や文字などの固定された型がない。変数には数値を格納することもできるし、データフレームを格納することもできる。
戻り値
すべての関数は値を返す。通常は、その関数本体の最後の式の値を返す。また、関数本体内の任意の場所でreturn(expr)を使うこともできる。
パラメータの値による呼び出し
関数パラメータは「値による呼び出し」をされる。つまり、パラメータは完全にローカル変数なので、その変数を変更しても呼び出し側の値に影響しない。
ローカル変数
値を割り当てるだけでローカル変数を作成できる。明示的に宣言する必要はない。関数が終了するとローカル変数は失われる。
グローバル変数
グローバル変数はユーザのワークスペースに保存される。関数内で割り当て演算子<<-を使ってグローバル変数を変更できるが、推奨されない。
条件実行
R構文にはif文がある。詳しくは

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