9章サスペンス

本書の中でもこの9章は、最も新しく不確定な事柄を含みます。何もこの章が重要でないというわけではありませんが、ここで紹介する情報は将来変更される可能性が大いにあるという点に留意してください。実際にReactの開発チームは、筆者のような教育者やエバンジェリストに対して、本章でこれから紹介する機能について、まだ実験的であるため将来変更される旨の警告をツイートしています。

本章で紹介するサスペンスやFiberのような、Reactの開発チームによる最新の成果は、Webの未来を示唆しています。これらにより、将来的にブラウザがJavaScriptを実行する方式そのものが変更されるかもしれません。一方で、これらのトピックはセンセーショナルすぎてコミュニティは過剰反応するきらいがあります。読者の期待値をコントロールするためにも、ここではっきりさせておきましょう。Suspenseのような機能はすべてのアプリケーションが必要とするものではありません。

SuspenseはFacebookが自社のサイトで直面した特定の問題を解決するために開発されたものです。すべての読者はFacebookと同じ問題を抱えているわけではないので、この機能を導入する前に本当にそれが必要なのかよく考えなければいけません。導入することでアプリケーションが不必要に複雑になるのであれば本末転倒であり、何よりこれらの機能は将来変更される可能性があるため、互換性の問題が生じるかもしれません。多くの問題はカスタムフックにより解決できるので、そうでない限りはサスペンスの導入は不要でしょう。

若干後ろ向きな前置きが続きましたが、とは言えこの章で紹介する機能は非常に興味深いものです。これらの機能を正しく使用すれば、より良いユーザー体験を提供する手助けとなるかもしれません。また、もし自作のカスタムフックやコンポーネントを開発しているのであれば、UIの応答性を改善するうえで本章が何らかのヒントになるかもしれません。 ...

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