2章HTTP/1.0の世界:基本となる4つの要素
エナジードリンク[1]のデザイン素材として利用されるHTTPのステータスメッセージ
本章では歴史的な変遷とともにHTTPの基本を見ていきます。いまや印刷すれば辞書のようになるほど大きなプロトコル(通信のルール)へと発展したHTTPですが、最初はとてもシンプルなところから出発しています。HTTPを理解するには現在の仕様を頭から読むより、これまで発展してきた歴史をたどって「今なぜHTTPがこのような姿になっているのか」を知る方が全体を理解しやすくなるでしょう。
HTTPをデータの箱として見ると、通信内容をいくつかの要素に分解できます。本章では次の4つの基本要素にフォーカスして紹介します。
メソッドとパス
フィールド
コンテンツ
ステータス
また、HTTPを扱うツールとしてcurlコマンドの使い方も紹介します。curlコマンドを利用することで、自分が望んだ通りのリクエストをサーバーに送信できるようになります。PythonやRuby、Node.jsなどのプログラミング言語を利用したことがあれば、REPLと呼ばれるモードのお世話になったことがあるでしょう。それらと同じように、curlをウェブAPIのREPLのように使うことで、サーバーの動作検証をしたり通信プロトコルを説明したりできます。
2.1 HTTPの歴史
HTTPはウェブブラウザとウェブサーバーが通信する時の手順とフォーマットをルール化したものです。ウェブページをブラウザで表示する時の、サーバーから情報をもらう際のルールに関する取り決めですが、その範囲を超えて、翻訳API、データ保存APIなど、さまざまなサービスのインタフェース ...
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