16章自作の移動ロボット

皆さんにとって最もやりがいのある(ときどきイライラするかもしれませんが)ロボットプロジェクトの1つは、自分専用のロボットを組み立てることです。世の中にはすばらしいロボットがたくさんありますが、自分のニーズに合ったロボットが存在しない場合もあります。また、ロボットを設計して組み立てる経験をしたいだけという場合もあるでしょう。理由はどうであれ、すばらしい専用のロボットを組み立てたら、どうすればそれをROSで制御できるようになるのでしょうか?

本章では、新しいロボット(非常に古いロボットに触発されたものですが)をROSに接続する手順を順に見ていき、本書を通して説明してきたライブラリとツールを使用できるようにします。本章は、ゼロから作成した独自のロボットをROSで制御するためのガイドとして構成していますが、まだ「ROSに対応していない」どんなロボットに対しても同じように適用できます。このようなロボットには、部品から組み立てられたロボットや(ますますまれなケースになってきていますが)ROSをサポートしていない既製品のロボットなどがあります。

16.1 TortoiseBot(トータスボット)

ここでは、新しい室内用の移動ロボットを組み立てていきます。どのようなロボットにするかを考えるにあたって、最も古い移動ロボットの1つを見てみましょう。それはElsieと呼ばれるロボットです(図16-1)。Elsieは英国の神経生理学者(サイバネティクスの研究者)であるグレイ・ウォルターによって1940年代後半に製作されたロボットシリーズの1つです。その分野の草分けであるウォルターは動物行動の研究の一環としてロボットを作りました。複雑で生物そっくりな動作を行う機械を作ることで、自然の生命体がどのように機能するのかを学ぶことができると彼は信じていました。この研究分野は、現在では ...

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