5章アイデアを明確かつ簡潔に伝える
スタートアップが失敗する最大の理由は、誰も欲しがらないものを作ってしまうからです。2番目の理由は、重要なステークホルダーから賛同を得ていないからです。
重要なステークホルダーとは、創業時のチームメンバー、初期の顧客、投資家のことです。
大企業でアイデアを出さなければならないとしたら、5年間の財務予測と18か月の製品ロードマップを含む60ページの事業計画書の提出を求められるでしょう。しかし、新規性のあるイノベーティブなアイデアにおいては、これらは最初からわかるはずがありません。その結果、こうしたアイデアは承認されずに終わります。
スタートアップであれば(あるいはイノベーションを義務付けられたチームであれば)始めるのは簡単です。リーンキャンバスを描いて、MSC(最小限の成功基準)を設定し、顧客セグメントと課題を特定すればいいのです。しかし、そこで行き詰まります。製品やチームを成長させるためのリソースが確保できないのです。あなたが見ているものを見てもらい、あなたの世界観に賛同してもらい、ミッションに参加してもらい、時間・お金・労力を投資してもらうためには、アイデアをピッチする必要があります。
スティーブは自分のアイデアを他の人に見てもらうことに苦労していました。他の人たち(投資家や共同創業者)からビジョンに賛同してもらうことができず、板挟み状態の状態になっていました。投資を求めずに自己資金だけでやるにしても、アイデアを成長させるには、いずれ共同創業者や設備などのリソースが必要になります。
ピッチはすべての起業家が身につけるべき重要なスキルです。ピッチの相手は投資家だけではありません。顧客、共同創業者、アドバイザーも相手にします。本章では、フィードバックや賛同を得るために、アイデアを明確かつ簡潔に伝える方法を学びます( ...
Get Running Lean 第3版 ―リーンキャンバスから始める継続的イノベーションフレームワーク now with the O’Reilly learning platform.
O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.