1章イントロダクション
実は、私たちは何も知らない
—— They Might Be Giants, "Ana Ng" (1988)
本章では、Rustプロジェクトの構成やプログラムの実行・テスト方法について紹介します。また、Unixプラットフォーム(macOS)を例に、コマンドラインプログラムの基本的な考え方についても説明します。なお、これらの考え方の一部はWindowsには適用できませんが、Rustで書いたプログラム自体はどのプラットフォームでも同じように動作します。
本章では、以下の内容を学びます。
- Rustコードを実行可能ファイルにコンパイルする方法
- Cargoを使って新しいプロジェクトを始める方法
PATH
環境変数の使い方- crates.io(https://crates.io)から外部クレートを取り込む方法
- プログラムの終了コード(exit code)†1の解釈
- 一般的なシステムコマンドやオプションの使い方
true
とfalse
コマンドをRustで書く方法- テストの構成と書き方、実行方法
[†1] 訳注:終了ステータス(exit status)と呼ばれることもある。
1.1 Hello, world!
プログラミング言語の学習では、たいていの場合「Hello, world!」と画面に表示するプログラムを書くことから始めます。本書でも「Hello, world!」を表示するところから始めましょう。まずはcd /tmp
で一時ディレクトリに移動した後、テキストエディタを起動し、hello.rs
というファイルに次のコードを書きます。
fn
main
()
{
❶
println!
(
"Hello, world!"
);
❷
}
❸
- ❶Rustでは、関数は
fn
を使って定義します。ここでは、 ...
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