4章headコマンド

変化のために何でもしよう / 自分のものとするために握手をしよう

—— They Might Be Giants, "Stand on Your Own Head" (1988)

本章では、headコマンドのクローンを作成します。headは、1つ以上のファイルの最初の数行または数バイトを表示するコマンドです。テキストファイルの中身を少しだけ見たいときによく使われます。また、あるプロセスが出力した複数のファイルがある場合に使うと、問題をすばやく把握できます。とくに、非常に大きなファイルを扱うときには、ファイル全体を読み込むcatより、headのほうが便利です。

本章では、次の内容を学びます。

  • 値を受け取るオプション引数の作成
  • 文字列を数値に変換する方法
  • 単体テストの作成と実行
  • matchアームとガードの併用
  • FromIntoasを用いた型の変換
  • イテレータやファイルハンドルでtakeを使う方法
  • 改行を保持したままファイルハンドルを読み込む方法
  • ファイルハンドルからバイトと文字を読み込む方法
  • ターボフィッシュ演算子の使い方

4.1 headの動作

まずはheadの概要から説明します。Berkeley Standard Distribution(BSD)、SunOS/Solaris、HP-UX、Linuxなど、オリジナルのAT&T Unix OSの実装は数多く存在します。ほとんどのOSにはheadコマンドがあり、デフォルトでは1つ以上のファイルの最初の10行を表示します。また、多くの場合、表示する行数を制御するためのオプション-nと、表示するバイト数を制御するためのオプション-cがあります。man headを実行すると、BSD版にはこの2つのオプションだけがあることがわかります。 ...

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