3章ゲームループの作成
最初の2章では、アプリケーションのビルド、環境の設定、グラフィックのスクリーンへの描画に注力したため、実際に動作するゲームを作ることには関心を払ってこなかった。何も操作できないし、コピーアンドペーストせずにキャラクターを追加する方法もない。本章では、ゲームループとキーボードイベントを導入することで、この状態を変えていく。だがその前に、新たに機能を追加できるようにするために、コードをリファクタリングする。準備はいいだろうか?この章は忙しくなる。
本章では以下のことを行う。
- 最小限のアーキテクチャの導入
- ゲームループの作成
- キーボード入力の追加
- Red Hat Boyの操作
本章を読み終える頃には、新しい機能を追加でき、入力を処理することのできるミニゲームエンジンができている。
3.1 技術上の準備
本章では新たな要請はない。エディタやIDEが使いやすく設定できていることを確認しておこう。本章ではコードをたくさん変更するので、エディタの手助けが必要になる。本章のコードはhttps://github.com/PacktPublishing/Game-Development-with-Rust-and-WebAssembly/tree/chapter_3で確認できる。
本章の「Code in Action」はhttps://bit.ly/3qP5NMaで視聴できる。
3.2 最小限のアーキテクチャの導入
数年前、HTML5によるゲーム開発に関する講演の準備をしていて、あることに気がついた。翌日に講演をすることになっていて、スライドは書き終わっていて、配布物もできていたのだが、1つだけ問題があった。デモができていなかったのだ!講演の最後を締めるデモゲームが必要だった。実際、講演のスライドの中でそのゲームに触れていたので、どうしても作らなければならなかったのだ。締切に追い詰められたことがある人なら、何が起こったかわかると思う。きれいなコードとか、ソフトウェアアーキテクチャなどというものは捨て去って、HTML5による「アステロイド」 ...
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