17章信頼性のレポート

Alex Hidalgo

SLOは、その絶対的な核心において、より適切な議論を行い、その結果(希望的観測としては)より適切な意思決定を行うために使用できるデータを提供してくれる手段です。そのプロセス全体は、今あるデータをこれまでとは違う方法で考えることです。SLOに基づくアプローチを介して収集するデータは、ユーザーと顧客があなたのサービスを日々使用する中で感じ、体験することを代表するものであるという観点から、意味のあるものでなければなりません。そのためのSLOのデータは、サービスの状況を他の人々にレポートする際の有力な記載事項になります。

「他の人々」が誰であるかは、サービスとユーザーおよび利害関係者に応じて大きく異なります。レポート作成は、四半期ごとの更新状況を経営幹部および利害関係者に対して提示することだけを目的にする必要はありません。自分のチームとそのチームをサポートしている他のチームに対しても、サービス全般の健全性をレポートするためにSLOを使用することは、意思疎通のための驚くほどに強力な手段になります。

SLOに関するレポートは、あなた自身やあなたのチーム、あなたの組織、あなたが依存するチーム、あなたに依存するチーム、外部の顧客、外部の企業そしてさらに多くの人々にとって価値があります。サービスのパフォーマンスと信頼性をユーザーの観点から計測することで、それらのユーザーにとって直接的に意味のあるデータを蓄積することにもなります。そして、思い出してほしいのは、私たちがユーザーと言うときには、サービスに依存している、文字どおりすべての人、またはすべての事象を意味することです。あなたのSLIとSLOによってユーザーの体験と要求を正しく捕捉しているならば、今まではどの程度の信頼性を維持していたか、現在はどの程度の信頼性を維持しているか、および将来的にはどの程度の信頼性を目指しているかについて、それらのユーザーと議論するために使用できるデータを即座に入手することにもなります。 ...

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