10章レベルを上げる:ゆきてかえりし物語
さて、ユニコーン企業がどんなことをしているのかはわかった。そこから学んだことをどう実践していけばよいだろうか? これが最終章の話題だ。どこから始めるのか。はじめの一歩をどう踏み出すのか。学んだアイデアはどうすればあなたの職場に適用できるのか。順番に見ていこう。
まずは、ほとんどの従来型企業が忘れてしまっていることを思い出すことから始めよう。それは、目的だ。
10.1 目的で動機づける
従来型企業が従業員に仕事でわくわくしてもらうためにまずできるのは、そもそもなぜそこで働いているのかを思い出してもらうことだ。つまり、会社の目的を再確認するんだ。
スタートアップは、少なくとも最初のうちは、金銭では人を惹きつけられない。高額な給与で有能な人材を集めることができないのだ。しかしスタートアップ企業があり余るほどに持っているものがある。それは、目的だ。
その目的は、電気自動車で地球を救うとか、火星に入植するとか、あるいは単に格安の保険商品を見つけられるとかかもしれないが、何であれあらゆるスタートアップは目的とともに始まる。目的がやる気を引き出し、優秀な人材を惹きつける。というか、創業時点のスタートアップには目的しかない。
だからといって、目的はスタートアップの専売特許というわけじゃない。従来型企業にだって目的はある! ただ、その使い方を忘れてしまっているだけだ。だから、創業者がなぜこの会社を始めたのかを思い出すことができれば、スタートアップと同じように目的の恩恵を受けられるだろう。
従来型企業に必要なのは、自分たちの存在意義を再発見して、自分たちの仕事がなぜ重要なのかを再確認することだ。それができれば、さまざまな物事の背景にある理由がわかりやすくなって、進むべき道も明らかになる。 ...
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