訳者あとがき
そもそもなぜextreme(究極)という単語が名称に含まれているのか。XPは常識を原理とし、極限まで実践するからである。
『XPエクストリーム・プログラミング入門』Kent Beck、ピアソン・エデュケーション
本書は、"Jonathan Rasmusson. Competing with Unicorns: How the World's Best Companies Ship Software and Work Differently. The Pragmatic Programmers, LLC, 2019. 978-1-68050-723-2"の全訳です。著者の訳書は『アジャイルサムライ』(オーム社、2010年)、『初めての自動テスト』(オライリー・ジャパン、2016年)に続く3作目です。
本文中では明示されていませんが、本書の対象読者について、著者は出版後のインタビュー記事で次のように語っています。「業務としてソフトウェアデリバリーに関わっている人たち(開発者、テスター、デザイナー、マネージャーなど)なら誰でもだけど、本当の対象読者は経営リーダーを始めとした、チームをプロダクトやソフトウェアのデリバリーにフォーカスさせる組織づくりの担当者なんだ」と†1。これは組織として文化を育てることこそが、ハイパフォーマンスなテック企業として成功するための「大統一理論」だと本文中で述べていることと対応します。本書のテーマはテック企業の「組織文化」です。
ユニコーン企業ではスクラムをやっていない
冒頭の「日本の読者の皆さんへ」で著者は「アジャイルは今や『ふつう』となりました」と、私たち日本の読者にメッセージを伝えています。日本では読者によってまだアジャイルソフトウェア開発の受容に温度差があろうかと思いますが、原著で想定されている北米のソフトウェア開発では今やアジャイルソフトウェア開発プロセス(具体的にはスクラム)が主流です ...
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