1章背景情報
本題に入る前に、データベースの歴史を調べておくと、リレーショナルデータベースとSQL言語がどのように進化したのかをよく理解する上で参考になります。そこで、データベースの基本的な概念を紹介し、コンピュータ化されたデータストレージとデータ検索の歴史を振り返ることから始めたいと思います。
そんなことよりも早くクエリを書いてみたいという場合は、3章に進んでもかまわない。しかし、SQL言語の歴史と用途をよく理解するために、あとで最初の2つの章に戻ってくることをお勧めする。 |
1.1 データベースとは
データベース(database)とは、言ってしまえば、関連する情報を集めたもののことです。たとえば電話帳は、特定の地域に住む人々の氏名、電話番号、住所からなるデータベースです。電話帳がどこにでもあり、よく使われているデータベースであることは確かですが、次のような問題があります。
- 電話帳に載っている電話番号の数が多い場合は特に、誰かの電話番号を見つけるのに時間がかかる。
- 電話帳のエントリは氏名に基づいてインデックス付けされているだけなので、ある住所に住んでいる人の名前を見つけることは、理論的には可能であるものの、このデータベースの現実的な用途ではない。
- 電話帳が印刷された瞬間から、その地域への転入や転出、電話番号の変更、または同じ地域内の別の場所への引越しに伴い、情報がどんどん古くなっていく。
電話帳の欠点はそのまま、ファイルキャビネットに保管された患者の記録といった紙のデータストレージシステムにも当てはまります。最初に開発されたコンピュータアプリケーションがコンピュータ化されたデータストレージ/検索システムである ...
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