6章集合

データベースではデータを1行ずつ処理できますが、リレーショナルデータベースの特徴は何と言っても集合にあります。本章では、さまざまな集合演算子を使って複数の結果セットを組み合わせる方法を調べます。集合論をざっと確認した後は、集合演算子unionintersectexceptを使って複数のデータ集合を組み合わせる方法を具体的に見ていきます。

6.1 入門:集合論

多くの地域では、基本的な集合論が高校生の数学のカリキュラムに含まれています。図6-1のような図を見ると、きっと何かを思い出すはずです。

和

図6-1 和

図6-1の塗りつぶされている部分は、集合Aと集合Bの(union)を表しています。つまり、2つの集合の組み合わせです(重なり合っている部分が含まれるのは一度だけです)。この図に見覚えはあるでしょうか。もしそうなら、その知識を活かすときがついにやってきたのです。見覚えがなくても心配はいりません。いくつかの図を使って簡単に思い描くことができます。

円で表された2つのデータ集合(AおよびB)があり、データの一部が共通しているとしましょう。この共通のデータは図6-1の重なり合っている部分として表されます。集合論はデータ集合の間に重なり合う部分がないと少しつまらないので、どの集合演算でも同じ図を使うことにします。集合論には、2つのデータ集合の重なり合う部分だけを扱う演算があります。この演算は交わり交叉、または共通集合(intersection)と呼ばれます(図6-2)。 ...

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