2章サイトリライアビリティエンジニアの面接

Andrew Fong(Dropbox, Inc.)

プロジェクトが成功する理由については頻繁に耳にする2つの物言いがあります。「エンジニアたちがこれを実現してくれた」あるいは「エンジニアたちが不可能を可能にしてくれた」というものです。

本書の大部分は、テクノロジーとそれを問題に適用する方法について書かれています。とはいえテクノロジーは、適切な人材がいなければ全く役に立ちません。本章では、私たちの仕事におけるソフト寄りの側面、つまり適切な人材の採用を扱います。採用された誰もが業務を通じてテクノロジーの構築に携わり、そうしたテクノロジーが利用されることで、問題を解決し、業界に破壊的な影響をもたらし、誰も可能だとは思いもしなかった革新を実現するのです。

すべてはエンジニアから始まります。

2.1 面接の基本

サイトリライアビリティエンジニア(SRE)の採用に関する詳細に踏み込む前に、典型的な採用面接とはどのように行われるものかについて共通の理解を深めておくのがよいでしょう。次に説明するのは、AOL、Google、YouTube、Dropboxなどのような企業で実施されている現実の採用に基づく一般的な概要です。

2.1.1 当事者

一般に、候補者本人、人事部門の採用担当者(recruiter)、採用責任者つまり採用部門のマネージャー(hiring manager)という三者が最小限の当事者となります。

2.1.2 業界か大学か

採用責任者が人材を募集する場合には通常、候補者のプロファイルとして業界および大学(修士と博士⦅PhD⦆を含みます)の2種類があります。業界からの候補者とは、他社の類似のポジションで働いた経験があるエンジニア、つまり転職者です。大学からの候補者とは、そのものずばり学生です。ソフトウェアエンジニアの採用と比べると、SREを大学から採用するのは格段に難しく特殊です。その大きな理由は、そもそもSREとは何かについて大学で学生に教育する機会が普及しなければ、この仕事に応募する学生が出てこないからです。そのため本書では、業界からの採用に話を絞ります。 ...

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