3章なるほど、SREチームを作りたいのですね

Luke Stone(Google)

本章の対象者は、まだサイトリライアビリティエンジニアリング(SRE)を実践していない組織のリーダーです。クラウドがもたらす破壊的影響に直面しているITマネージャーです。日々ますます増大する複雑さに対処している運用担当ディレクターです。技術の新たな可能性を開拓しようとしているCTOです。皆さんはSREチームを作りたいと考えているかもしれません。それは皆さんの組織にふさわしいでしょうか。ここではその判断をお手伝いしたいと思います。

私は2014年からGoogle Cloud Platformの仕事をしており、こうした状況に置かれているリーダーとすでに少なくとも100人はお会いしました。私がGoogleで働き始めたのはまだSREが存在しない頃でしたが、今日では一緒に仕事をしているクラウドのお客様が、それぞれの組織にSREを適用し始めるようになっています。つまり、多くの環境でSREチームが種から育つのを目の当たりにしてきました。また、立ち上げてみたものの伸び悩んでいるチームも見てきました。

では、本章を読んでいる皆さんがSREチームを作りたいと考えているとしましょう。それはなぜでしょうか。私が話を聞いてきた中では、いくつかのテーマが繰り返し浮かび上がってきました。次に示すのは、そのようなテーマを架空の引用として表現してみたものです。

  • 「SREはかっこいいと友人たちが言うので、私も経歴書にそう書けば見栄えがいいでしょう」
  • 「最後にサービス障害が発生したときには怒鳴られました」
  • 「私の組織では、より予測可能性に優れた信頼性を求めており、そのためなら資金を投じてもよいと考えています」

これらはもっと微妙な意味合いがあるだろう状況を半ば強引に要約したものですが、本章の対象者には共感してもらえるかもしれません。各項目はそれぞれ、さまざまな機会や落とし穴を示しています。それを理解することが、SREを各自の組織にどう当てはめていけばよいかを考えるのに役立つでしょう。では、個々のテーマが持つ現実の意味を検討していきましょう。 ...

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