7章SREのいないSRE:Spotifyのケーススタディ

Daniel Prata Almeida、Saunak Jai Chakrabarti、Jeff Eklund、David Poblador i Garcia、Niklas Gustavsson、Mattias Jansson、Drew Michel、Lynn Root、Johannes Russek(以上Spotify)

Spotifyが実際にはSRE部門を持っていないことに多くの人は驚きます。中央のSREチームがなく、SREのみのチームすらありませんが、それでも時間の経過とともにスケールしていく能力にとって拠り所となってきたのは、業務遂行のあらゆる取り組みにSREの原則を適用する能力です。こうした普通ではない体制を取っていることから、私たちのモデルつまり「分隊型運用」(Ops-in-Squads)がどのように機能しているのか学びたいと、他の企業から問い合わせを受けるようになってきました。その中には類似のモデルを導入しているところもあります。そこで、同様の考え方が皆さんの役に立つかどうか判断できるように、このモデルにたどり着いた経緯とSpotifyにおける活用の実際について、少し説明したいと思います。

最初に、Spotifyのエンジニアリング文化について、ちょっとしたコンテキストを共有してもらう必要があります。つまりSpotifyでは、組織を小さな自律したチームに編成しています。これはどのチームも、特定の機能またはユーザー体験を一貫して所有するという考え方です。これは実際問題としては、1つのエンジニアリングチームが職能横断型の開発者集団(設計者からバックエンド開発者さらにはデータサイエンティストまで)として構成され、Spotifyのさまざまなクライアント、バックエンドサービス、データパイプラインに関する業務に連携して取り組むことになります。 ...

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